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    関節リウマチ診断前のメトトレキサート治療の有用性

    • 2014.03.30 Sunday
    • 13:20
    the PROMPT studyというものがありました。これは、関節リウマチの診断がつかない関節炎をもつ方をメトトレキサートで治療する、しないの2群にわけて、その後の結果をみるというものです。このたび、その5年目の成績がでましたので紹介します。
    この研究は、110人の診断が確定しない関節炎の方を、それぞれメトトレキサートで治療する(55人)、しない(55人)の2群にわけて5年後の関節リウマチと診断がつく方がどれくらいか、レントゲンでの骨破壊進行度はどのくらいか等の検討を行うことが目的です。
    結果はどうであったかというと、メトトレキサート治療を受けた中の25人と治療を受けなかった中の29人が1987年版での関節リウマチの診断がつきました。メトトレキサートは抗CCP抗体陽性だが、まだ関節リウマチと診断がつかないという状態から関節リウマチと診断できる状態までに至るスピードを遅くすることができる人もいるという結論ですが統計的には有意ではありません。なお、治療を中止しても良い状態を保つことができた35人のうち20人は初期からメトトレキサート治療を受けていたが、35人のうち32人は抗CCP抗体は陰性でした。
    予後不良因子と呼ばれる抗CCP抗体が陽性の方はメトトレキサート治療にかかわらず骨破壊が進行することもわかりましたが、これも今まで言われている通りの結果でした。
    2010年に関節リウマチを診断する為の分類基準が変更され、本研究開始当時は1987年版の診断用分類基準による関節リウマチの診断であったため、再度、2010年版に照らし合わせての再検討もなされましたが43人(39%)が研究開始時から関節リウマチであったと診断されました。
    結論として、関節リウマチへの進展予防などメトトレキサート治療開始1年で認められた効果は治療を受けた受けないに関わらず5年後では有意差はつかず結局かわらないという結論で、関節破壊進展予防も認められませんでした。
    これはひとつの参考として、今後の診療に役立てていこうと思います。